京都人

台湾にとどける京の真髄
京都の人々が本当に通う場所

京都人 > 京都人紹介 > うお市

京都人 Vol.002泉涌寺道

2016年04月05日 UPDATE

店主 岡野裕明

ハモの見方が変わる、ハモ料理専門店。

「みんなに食べてほしいねん。 ハモ阿呆やさかいに」。

うお市 店主 岡野裕明

落としは、二杯酢とわさびで

 京都の夏の名物といえば、湯引きした白い身に赤い梅肉を添えた「ハモの落とし」を思い浮かべる人も多いだろう。
 
 「夏だけのイメージが強いけど、一年中ハモはあるんよ。夏場のハモは卵をもっておなかの皮が薄くなるから、落としに向いてる。うちでは春から、落としを二杯酢とわさびで出してます」。
 
 冬も食べられる? 梅肉じゃなくて二杯酢とわさび? いきなり目からウロコが2枚も落ちた。
 

シャリ、シャリいう
骨切りの音がええねん

 
 うお市の岡野裕明さんは、自称「ハモ阿呆」。ハモの話を始めると止まらない。「ハモが好っきやねん」。 骨が約3500本もあるハモは、腹側から開いて中骨を外した身に細かい切りこみを入れて小骨を切断する「骨切り」が欠かせない。手間がかかる上に高度な包丁技術が要求されるが、岡野さんは最も好きな作業だと話す。
 
 「骨切りのシャリ、シャリっていう音がええねん。ぬめり、ひれ、腹を取る。1本の下処理に小一時間かかりますわ。朝6時半に中央市場で活かったハモを買うてきて、昼までずっとやってます」。
 
 ハモの選び方にも一家言ある。元気で目がきれいか。肉厚と背骨の太さも1匹1匹確認する。直径は5〜6センチ、重さ700〜800グラムの徳島、淡路、瀬戸内海産がご贔屓だ。
 
 「ハモが好きやから、近くの病院で撮影してもらった」と、岡野さんが電気を付けると、壁に仕込んだハモのレントゲン写真が浮かび上がった。腹を開くだけでは飽き足らず、透視まで! 岡野さんの「ハモ阿呆」ぶりには脱帽だ。
 

骨、浮き袋、肝。
ほうるところなんてない

 
 1927年、うお市は仕出し店として創業。高校卒業後に入店した2代目の岡野さんが、ハモ料理に特化させた。現在72歳、半世紀以上ほぼ毎日ハモをさばいてきた。岡野さんの手技をとことんまで味わいたければ、特選懐石(1万800円)がいい。
 
 「ハモにほうるところなんてない。腹皮、あばら骨、ひれは唐揚げ。中骨は骨せんべい。浮き袋は煮こごり。身は焼きも落としもええし。フォアグラみたいな肝を添えた薄づくりも食べてみてな」。
 
 うお市のハモの落としは、花の開きが違う。わさびを溶いた二杯酢がひだに入り込んで、身の滋味を引き立てる。
 
 「ハモのおだしもすごいんよ。土瓶蒸しやお吸いもので、深い味わいにびっくりしはるお客さん、多いで」。 
 
寒い季節に人気なのがハモの頭酒。かち割った頭部を炙り、日本酒を注いだ豪快な熱燗。うまみが溶け出して濃厚だ。
 
 「ハモ、みんなに食べてほしいねん」。岡野さんと話していると、ハモについてなにも知らなかった自分に気づく。うお市を訪れたら、あらゆる意味でハモ観が変わること間違いない。

壁面に掲げられたハモのレン トゲン。近くの個人経営の医院に 頼み込んで撮影してもらった。

壁面に掲げられたハモのレン トゲン。近くの個人経営の医院に 頼み込んで撮影してもらった。

ハモの落としは春から秋、3月 から11 月頃までの季節メニュー。

ハモの落としは春から秋、3月 から11 月頃までの季節メニュー。

「海川魚御料理」の大きな木 看板が目を引く。奥に進むと椅子 と座敷の席がある。

「海川魚御料理」の大きな木 看板が目を引く。奥に進むと椅子 と座敷の席がある。

店頭には ハモ寿司をはじめ、持ち帰り用の パックが揃う。「もともと仕出し 料理屋でしたから。二杯酢と季節 野菜のあえものも好評ですよ」。

店頭には ハモ寿司をはじめ、持ち帰り用の パックが揃う。「もともと仕出し 料理屋でしたから。二杯酢と季節 野菜のあえものも好評ですよ」。

Shop Data
店舗名 うお市
住所 京都市東山区今熊野新熊野神社下
電話番号 075-561-2837
営業時間 10時~19時(L.O)
定休日 木曜
URL http://www.uoichi.ecnet.jp/
LINEで送る
Pocket

Other Kyoto-jin

京都人・最新刊

Vol.004

下緑町

2016年6月発行

設置場所はこちら

京都人について

京都人004_Kyotojin004

Pick UP

Kyoto-jin News

LANGUAGE

日本語 繁体中文