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京都人 Vol.004下緑町

2016年08月17日 UPDATE

代表取締役社長 福三田邦彦

発祥の地・京都の誇りをもった納豆作り。

「赤ちゃんを風呂に入れるときのように 大事に発酵させます」。

森口加工食品 代表取締役社長 福三田邦彦

納豆は、
大豆の一品料理です。

 日本人のソウルフード、糸引き納豆の発祥地には諸説あるが、そのうちの有力候補に右京区の北側一帯を占める京北町があるのをご存知だろうか。
 1083年、後三年の役で源義家が東北遠征した際に、京北町の若者を同行したという。義家一行が北上で経由した水戸、米沢、横手は納豆の名産地になった。
 「他の土地の人は『源義家さんはうちで作り方を覚えて帰った』と言わはる。もちろん正確なことはわかりません。でも私は、発祥地は京都の京北町だと信じているし、それこそが納豆をつくり続ける心の支えになっているんです」。
 森口加工食品の社長、福三田邦彦さんは力説する。
 

市松模様が目印、
牛若丸発祥の地で

 
 創業1877年(明治10年)の森口加工食品は紫竹牛若町にある。その名の通り、源義家の子孫、牛若丸こと源義経が誕生した地だ。森口加工食品の主力商品は、牛若丸がトレードマークの牛若納豆。スーパーで緑と白の市松模様を見かけたことがきっとあるだろう。
 福三田さんは幼少の頃、森口加工食品の近くに住んでいたのが入社の縁だ。
 「小学校4年生の頃から、わら納豆にレッテルを巻くお手伝いをしていたんです。それがきっかけで就職しました」。
 京都で老舗というには歴史が浅いけれど、と前置きして福三田さんは続ける。
 「一流の老舗は、時代によって材料が変わっても味を変えないように、身を削りながらがんばっておられますよね。僕らも納豆発祥の地の誇りをもって、いい材料で納豆を作り続けていきたい」。
 

食べ方で発見、
納豆の高貴な一面

 
 森口加工食品の工場には、煮大豆の心地よい香りが漂う。風呂桶よりも大きな圧力釜で、一度に1000パック分の大豆を煮上げる。アツアツの大豆はほっこりやわらかく、健やかな甘みがある。
 大豆は充填機で1パックずつ包装し、糸引きのいいものとふっくらと香ばしいもの、2種類をブレンドした納豆菌をかけて発酵室で約20時間寝かせる。
 「毎日、気温も水温も違うから、発酵の進行が違う。親が自分の赤ちゃんを風呂に入れるときみたいに、昼も夜も納豆の顔を確認します。いい感じに大豆に菌膜が張ってくると、むっくりした香ばしい香りになるんですよ」。
 福三田さんおすすめの食べ方を紹介しておこう。納豆を器に移し、ティースプーン半杯の砂糖を入れ、箸で70〜80回混ぜる。ちょろっと酢をかけて口当たりを良くし、最後に好みでしょうゆを数滴垂らす。ごはんには乗せず薬味も入れず、そのまま口に運ぶ。
 豆と糸が一体化した、まろやかで上品な口当たり。もはや大豆の一品料理だ。「納豆=御所に納める豆」に由来という説にうなずきたくなる。いつもの納豆の、知られざる高貴な顔を発見した。

「うちはいい豆を使っていますよ。他社の納豆パックと比較して、値段は2倍だとしても、豆の値段は5倍のものを使っています」。

「うちはいい豆を使っていますよ。他社の納豆パックと比較して、値段は2倍だとしても、豆の値段は5倍のものを使っています」。

湯気のなかに目を凝らしていただきたい。アツアツの蒸された大豆を、圧力鍋から取り出した瞬間だ。あたりに気持ちのいい、甘い豆の芳香が広がった。

湯気のなかに目を凝らしていただきたい。アツアツの蒸された大豆を、圧力鍋から取り出した瞬間だ。あたりに気持ちのいい、甘い豆の芳香が広がった。

大粒小粒といった豆種に加え、立命館大学と産学連携で生み出した納豆など、さまざまな種類がある。

大粒小粒といった豆種に加え、立命館大学と産学連携で生み出した納豆など、さまざまな種類がある。

Shop Data
店舗名 森口加工食品
住所 京都市北区紫竹牛若町22
電話番号 075-494-3485
営業時間 9時~18時
定休日 日曜日
URL http://www.kyoto-ushiwaka-na.co.jp/
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