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京都人 Vol.002泉涌寺道

2016年04月05日 UPDATE

店主 平岡千賀子

京都女子大生が足しげく通う甘味処。

「梅香堂に生まれなくても、きっと甘いもの屋をしていたと思います」。

梅香堂 店主 平岡千賀子

50年、父の代からのホットケーキ

赤いギンガムチェックのエプロンをした、ポニーテールの色白のお嬢さんが注文を聞きに来た。東大路沿いにある甘味処・梅香堂はご近所の京都女子大学、通称京女の学生がアルバイトを引き継ぐ。
「大学の友達もたくさん来てくれるんです」、みんなのお目当てはホットケーキ。焼き手は店主の平岡千賀子さんだ。
 

研究熱心な父から
伝えられたレシピ

 
 オーダーが入ってから、平岡さんはホットケーキの生地をつくる。自分でブレンドした薄力粉とふくらし粉、牛乳や卵を手際よく混ぜて、鉄板上の正円の型へするりと流し込む。しばらくすると、むくむく生地がふくらみ始める。型からあふれるまで待ってくるりとひっくり返すと、こんがりきつね色の満月が顔を見せる。
 
 ホットケーキは二枚重ね、上段中央で絞ったバターがゆるり溶けていく。メープルシロップをたっぷりかけると、浸み込みの均一さに驚く。生地のきめが細かくないとこうはいかない。ナイフで切り分けて、いそいそと口に運ぶ。バターとメープルシロップをたっぷり吸いこんだ幸せな塊が口内で弾む。ああ、まさにプロの味だ。
 
「父の代から50年、ホットケーキを焼き続けています。レシピは父直伝です。メープルシロップは自分でブレンドしています。バターをはじめ、原材料の仕入れ先はずっと変えていません」。
 
 1953年、父親の隆さんが梅香堂を創業した当初は、店頭で和菓子を商っていた。「お客様に休憩がてら召し上がっていただけるものを」と、洋食がまだ新しかった時代に隆さんはホットケーキをメニューに載せた。研究熱心な隆さんが焼くホットケーキは評判になり、近くの京女の学生をはじめ、近所の人に愛される梅香堂の看板メニューとなった。
 

父親譲りの凝り性で
新作を生み出す

 
 「父のときは小倉とバターとクリームの3種でしたが、私の代になってフルーツやバナナチョコクリームなど、ホットケーキのバリエーションを広げました」。ホットケーキとぜんざいは父の味を受け継ぐが、平岡さんが開発したメニューも見逃せない。自信作は小倉抹茶ゼリーパフェ。抹茶ゼリーにたっぷりかけた濃い抹茶ソースが、乳脂肪分控えめのソフトクリームを際立たせる。
 
 平岡さんに新作を生み出す秘訣を尋ねると、自分の好きなものを出しているだけですよ、と教えてくれた。「甘味処の2代目だからではなくて、自分が食べるのが好きだからこのお店をやっているんです。もし梅香堂の家に生まれなくても、きっとなにか甘いもの屋さんをしていたと思います」。
 
 深夜にホットケーキの粉をふるい、翌朝7時から抹茶ゼリーの仕込みを始める。凝り性で、決して手を抜くことのない平岡さんの性分は、父親譲りだ。

父が味を決めたぜんざいもファンが多い。さらりとした粒が残 る京都風、焼き立ての餅と一緒に。

父が味を決めたぜんざいもファンが多い。さらりとした粒が残 る京都風、焼き立ての餅と一緒に。

写真はバターホットケー キ。トッピングでは小倉バターが人気だ。ちなみに、アルバイトに は好きなだけ食べていい特典があるそう。

写真はバターホットケー キ。トッピングでは小倉バターが人気だ。ちなみに、アルバイトに は好きなだけ食べていい特典があるそう。

東大路沿いの店構え。 「ホットケーキを冬限定メニューにしているのは、夏にかき氷が始 まるから。仕込みが大変すぎて、両立はできないんです」。

東大路沿いの店構え。 「ホットケーキを冬限定メニューにしているのは、夏にかき氷が始 まるから。仕込みが大変すぎて、両立はできないんです」。

Shop Data
店舗名 梅香堂
住所 京都市東山区今熊野宝蔵町6
電話番号 075-561-3256
営業時間 10時~17時半(L.O)
定休日 火曜
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